爺爺の手習い

毎年この季節に大津の３公民館共同企画で３回シリーズの講座や見学の催しがあります。

今年の第一回は「湖国の画家、山元春挙がはたした役割」で大津市の山元春挙別邸「蘆花浅水荘」（記恩寺）を訪ねました。

お寺と庭と日本画が好きで前から行きたかったのですが、予約が必要なため一人では気が引けて躊躇していたので非常に幸運でした。

蘆花浅水荘については、講師の三代目当主の山元寛昭さんが手作りで開設されたホームページとブログが有りますので省略します。

私が山元春挙に興味を持ったのは、写真で見た「雪渓遊鹿図」のどこに鹿が書かれているか分からす気になり、十数年前に県立近代美術館で行われた「山元春挙展？」で初めて現物を観てからです。
日本画とは思えないほど雄大で観るものを引き込んでしまうスケールでした。

講師の山元さんは春挙のお孫さんで愛知県でサラリーマンをして、定年後に蘆花浅水荘を守っているとの事でした。
気さくでお話もお上手で、講演・案内を2時間以上かけて親切丁寧にしていただけました。

見どころはいっぱいです。
書院、次の間(仏間)、茶室、入側、莎香亭、無尽蔵、竹の間、２階　旧アトリエ(本堂)、洋室と庭園、すべてが春挙の作品です。


数寄屋造りの大正昭和の豪邸。
外からは2階に洋室があるように思えない。
家具、丁度品、電灯、スイッチに至るまで大正時代のまま。

秋晴れの剪定が終わった直後の庭を書院から望む。
文人風の庭も春挙の作品そのもの。
船着き場の石垣や階段も残っている。

2階本堂にある旧アトリエ。
つい先ほどまで使っていたような気になる絵筆や岩絵の具など。
春挙は新しいもの珍しいものが好きで、当時の日本画では珍しくカメラも使ったということ。
春挙の絵のパノラマを生み出したロール式の写生道具もそのまま残っていた。


あまり目立ちませんが大津市中ノ庄に、こんなに素敵な国の重要文化財（庭は大津市指定庭園）があります。
予約すれば気軽に行けます。皆さんも是非お尋ねください。

最後に講師の山元さん、企画していただいた3公民館の皆さんに感謝、有難うございました。