爺爺の手習い

先週の土曜日は、大津の３公民館共同企画「お寺は歴史の宝庫　湖国の知恵泉たちは何を語るのか」の第二回　「積み重なったいしたちが語る穴太衆の心意気」に行って来ました。

今年一番の寒さかと思うような日で東本願寺大津別院の広い本堂で震えながら聞いてきました。

講師は株式会社粟田建設の会長さんで、お話のお上手な職人さんです。


穴太衆積みを簡単に紹介しておきます。
穴太衆積みは自然石を積み上げる野面積みが基本であまり加工はしない。
穴太衆の起源は渡来人で百穴古墳群などを築造した石工集団。
寺院などの石工集団で独自の技術を生み出した。
安土城の石垣構築に参加して、その実力が認められるようになり諸大名から引っ張りダコになる。
記録に残っている築城普請の数は十三か城、十七度。
江戸時代に入ると築城が減り穴太衆も激減した。
近年は史蹟や文化財修復工事が主で海外からの依頼も多いそうです。


穴太衆積みの積み方と特徴は、大きな石を間隔をあけて配置し、その間に小さな石を積む。
落とし積み・重ね積み・巻き積みなどはタブーとされる。

穴太衆積の積み方と特徴（配布資料より）



穴太積みの極意は石の声を聞くのだそうです。
石の一つ一つが収まるべき所に収まるよう石の形状を考慮しながら積んでいくそうです。
上手く収まると「コトッ」と音が聞こえると会長さんがおっしゃっていました。

前から気になっていたのですが石垣の表面に見える小さな外れそうな石（小詰石）は抜けても問題ないそうです。
戦闘時、城壁を登る敵が掴んで落とす目的もあったそうです。

自然石を使うので新規の石垣作りでも設計図は書けないそうです。
最近では自然石も中々手に入らないようで困っておられました。

積み方により変わるので強度計算も出来ないようですが、京都大学の実験ではコンクリートブロック積みの1.5～2倍の強度が有ったそうです。

普段聞くことができない貴重なお話を会長さんから直接聞くことが出来ました。
これからも技術の継承をよろしくお願いします。有難うございました。


第二部では大津別院の執事さんから別院の歴史をお聞きし、書院の襖絵などを見学させていただきました。
2年前に大津歴博の見学会で来たのですが、今回はゆっくり見学することが出来ました。

重要文化財の書院上段の間